以前、EMS(early music shop)で 「リコーダー奏者にとって『夢』のケース」 と書かれていたセミハードケース(Back Pack)を買いました。3ウェイで背負うこともできるとありました。
Sop
Bassまでをひとつのケースで持ち運びたいと思ったからですが、購入前に何度サイズを聞いても回答が得られず、仕方なくそのまま購入しました。

価格的には当時15,000円ほどだったのですが、英国からの送料が同じくらいかかり、結局3万円くらいでした。
それでもギタルラで輸入したらどれくらいかかるかと聞いたときにはEMSのケースは5万円くらいということでしたので、3万は仕方ない価格だったかもしれません。

届いて驚いたのは、背負えるようにはなっていたのですが、まさに舌切り雀の「つづら」状態だったこと。
といってもわかんないかなぁ(^^ゞ。 中はトレイが2つ入り3段になっていました。
私の持っていたSopBassまでの4本とさらにアルト1本を入れても2段で収まってしまい、1段は空いたままでした。

これを一度だけ持ち出しましたが、キャリアーにのせるしかなく、結局半年ほど部屋の保管用として使って、オークションで売ってしまいました。

EMS HD14R 14 Slot 'Back Pack' All Sizes Inc. Bass


『夢』のケース は「EMS HD14R 14 Slot 'Back Pack' All Sizes Inc. Bass」というものです。
: 54 cm : 35 cm 深さ: 23 cm Weight: 4.0 kg
このサイズ、重さがわかってたら、最初から買わなかったでしょうね。

リコーダーケース1

その後、竹山アルトのケースをみていて、ウレタンを使ってバイオリンケースを同じような感じに改造できないかと思い立ちました。
ネット検索したら、バイオリンケースの最低価格のものは5千円しないくらいで売っていました。
セミハードケースということで、木枠さえ一部しかなく、ほとんどが発泡スチロールでできたものでしたが、これがかえって「軽さ」という恩恵を与え、SopBassまで入れてもとても軽くできました。
ケースとマットなどで費用は6~7千円だったと思います。

ウレタンフォームなど(私のは、バスマットを使いました)の上に笛よりも若干小さく笛の形を切り取り、その穴に笛を押し込んで、横方向の圧力により笛を固定しています。

作り方は、
(1)
 ケースの中の発泡スチロールを切り取れる範囲を計り、そのサイズに新聞紙を折って、その上で、笛をどのように入れるかのレイアウトを考えます。(写真を見てわかるように、最終のレイアウトは上下を入れ替えました)

リコーダーケース2



(2) ケースに張られた布の周囲をある程度残すようにして(ウレタンを詰めた後、周囲にかぶせるためです)切り取り、中の発泡スチロールをカッターナイフで切り取ります。これに結構時間を取られます。

(3)
 切り取った後に収まるようにウレタンフォームを長方形に切ります。私の使ったものは厚みが1cmのものでしたが、これを3枚重ねています。
 新聞で決めたレイアウトをウレタンに写し取りますが、このとき、笛の実際のサイズよりも少し小さめにします。
 これをカッターで切り取ります。
 ウレタン等の厚みはいろいろあると思いますが、3枚重ねにしたことでかえってカットする深さを変えることができ、バスは3枚とも貫通、アルト、テナーは2枚貫通(底の一枚は残す)として、楽器表面の高さをある程度そろえることができました。

作業はおよそ8時間。その半分近くをケースの発泡スチロール除去に使いました。


リコーダーケース3



写真で入っているのは、竹山ソプラノ(ローズウッド、借り物メープル)、竹山アルト(ローズウッド)、竹山テナー(ローズウッド)、全音バス(サクラ)です。ソプラノの場所は、元はバイオリンの弓を入れるところです。
タオルを一枚かぶせてふたをしています。


すでに2人の方が、このケースのまねをして作っていますが、写真左端にある小物ケースまで取り除いたり、楽器の固定をウレタンの反発によるのではなく、楽器の上にクッションを置いてケースを閉じることにより上から押さえるようにしたり、それぞれ自分の入れたい楽器に合わせて作られています。
手間はかかりますが、小柄な女性がたくさんの楽器を運ぶときにも、背負えて軽く、両手が空いて助かると好評なようです。

リコーダーケース4



こちらは友人の改造ケース。
ニーノ?からバスまでありますが、バスはヤマハ、テナーは全音です。バイオリンケースは私のと同じもので、左側の小物入れも取ってしまっています。上蓋の左の方にチューナーかなんかを入れてあります。


この当時、私は全音のBassを入れていましたが、現在はキュングのニック式(頭部で折れ曲がった形)のBassを購入したので、ケースは合わなくなり、EMSロールバッグとBassケースと2つに戻ってしまいました。
それでも、このときは使い勝手がよかったなぁ、とよく思い出します。


  

tomo