組曲がアルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグの4曲を基礎としていて、ジーグの前(サラバンドとジーグの間)にガヴォット、バズピエ、ブレー、メヌエット、リゴドンなどの他の部局を挿入されたりしたとお話ししました。


そこで、サラバンドとジーグについてのお話です。ちょっと長いですがご容赦ください。



 サラバンド ( saraband/フランスsarabande ) 
         性格付け 情熱 歌 語りかけ

サラバンド(仏語:sarabande、伊語ではサラバンダ sarabanda )とは、17~18世紀にヨーロッパで流行した、4分の3拍子、または2分の3拍子の緩やかな3拍子の古典舞曲のことをいう。バロック音楽の古典組曲の中の1曲としても用いられた。

荘重な雰囲気を特徴としていて、ある種、重々しい、そして高貴な表情がある。
小節内部の2拍めと3拍めがしばしば結合され、(たとえば4分の3拍子の場合には)2分音符の代わりに、付点4分音符と8分音符を組み合わせたリズムが多用されることが特徴的である。


これは、ダンスにおいて引きずるようなステップに対応するのだと言われてきた。サラバンドの特徴ある荘重なリズムは、聞き手にとっては非常に再認識しやすい。その他の目立った特徴としては、次のような点が挙げられる。

・重々しい3拍子のリズム(しばしば2分の3拍子)
・4小節単位の小楽節2つからなる8小節分の大楽節
・開始小節に先立ってアウフタクトがおかれる場合もある

サラバンドが初めて言及されたのは中米においてである。1539年にフェルナンド・グスマン・メヒアがパナマで書いた詩の中で、「サラバンダ」(zarabanda )と呼ばれるダンスが言及されている。
起源とされているのがペルシャといわれており、スペイン植民地で人気があり、これが大西洋を渡ってスペインにもたらされ(逆輸入された)、イギリス、フランスへと広がり踊られるようになった。

後にバロック音楽の組曲の伝統的な楽章となった。おそらく最も有名なサラバンドは、モンテヴェルディの時代からコレッリを経て、今日まで数多の作曲家の作品に使われているフォリアだろう。



 ジーグ、ジグ (GigueGiga) 性格づけ  酒脱

16世紀ごろから英国で流行し、17世紀にフランスに伝わった。
複合3拍子で付点リズムが特徴。
古典組曲を構成する4つの重要な舞曲の1つで、通常最後に置かれ、急速なテンポで演奏される。


ジグ (jig) は、8分の6拍子または8分の9拍子の舞曲で、イギリスやアイルランドの民俗的な踊りの形式の一つである。しばしばジグ(gigue) とも呼ばれるが、これはバロック時代にフランスをはじめとするヨーロッパ各地で流行した際のフランス語風の綴りに由来する。
8分の6拍子のものを「ダブル・ジグ」(double jig)、8分の9拍子のものを「スリップ・ジグ」(slip jig)と呼ぶ。また、8分の12拍子のものもあり、これは「シングル・ジグ」(single jig) または「スライド」(slide) と呼ばれる。

フランス型とイタリア型に分かれ、前者は付点リズム、フーガ的要素が多め、跳ねるような音形などが特徴で、後者はフーガ的要素は少なく、軽快であることが特徴である。
バロック期に多く作曲されたが、近代以降も作曲されている。

ジーグは跳ねる踊りなので、それがわかるように付点で音が途切れる必要がある、とお聞きしたことがあります。


               舞曲ジーグジーグ舞踏譜


        ▼

上で、「最も有名なサラバンドはフォリアだろう」と書いてありますが、フォリアについて調べてみると次のような記載がありました。
『フォリア(folia)は、イベリア半島起源の舞曲。15世紀末のポルトガルあるいはスペインが起源とされるが、いずれかは定まっていない。
サラバンドと同じく3拍子の緩やかな音楽。
フォリアとは、「狂気」あるいは「常軌を逸した」という意味があり、もともとは騒がしい踊りのための音楽であったことが窺われるが、時代を経て優雅で憂いを帯びた曲調に変化した。』

フォリアはサラバンドの一種なのか、似てるけど違うものなのか、ご存知の方は教えてください。


 

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