7月末の薬業界の新聞に、上記タイトルのような記事が載りました。


ネット情報を信じる患者さんが、根拠が怪しい健康食品や食材の情報を信じ、薬を服用しないような事例もあり、なぜ薬を飲む必要があるのか、そこまでさかのぼって話す必要が出てきているとのこと。


一方で、がんの治療法をネットで調べようとした業界関係者が、大手検索サイトでがんの名称を入力しても、画面いっぱいに出てきたのは免疫療法(治療法としてまだ確立しておらず高額)や健康食品の広告ばかりで、科学的根拠があり、多くの医療者が認める素人でもわかり、広告ではない情報はネットでは探しにくいとのこと。


健康食品などは、それ自体、身体に悪影響を及ぼすものではないとしても、それを飲む(食べる)だけで医薬品は必要ないと独断して、ちゃんとした治療を受けないなど、患者さんが非常に危険な状況に陥る可能性があることが心配です。


私も以前、ネットで検索して、学会で作成された治療法のガイドライン(学会が認めた標準的診断法、治療法などが規定されており、一般的な病院ではこれに沿って治療等が行われることが多い)を見つけて読んだり、その疾患に関するQ&Aを掲載した医師のサイトなどを読み、大変有用な情報を得ました。

ただ、上記の記事では、こういった情報をネットで探すには、ある程度の医療知識が必要であり、一般的な患者さんには難しいと書いてありました。


このような背景から、薬剤師から患者さんに対して、インターネット上の医薬品や治療法の「調べ方」を提供する取組みが始まっているそうです。
また、病院によっては、患者が調べた情報が信用できるか相談できる窓口を設置したところもあるとか。


ある病気がどのような症状があって、どういう風に診断して、どういうように治療するのが標準的なのかなどの情報を得る一つの方法として「○○○がん治療ガイドライン」とか、「○○○病ガイドライン」とかいう名称の文書を読むことが挙げられます。

関連学会としての標準的な治療法などが定められており、疾患名「○○○」と「ガイドライン」という2つのキーワードで検索することで、ネット上でもたくさんのガイドラインが比較的簡単に見つけられます。

ネット上で見つけたガイドラインについて、ちゃんとした学会が作成したものかどうか(例えば乳癌であれば日本乳癌学会や日本癌治療学会など)、それが最新のガイドラインか(同名でも数年おきに改訂されていたりするので、その時点で一番新しいか)を確認されて利用されればと思います。


 

(tomo)