トクホ、栄養機能食品、機能性表示食品は効くのか、ということを書きかけていましたが、12月初めに仕事で行ったある講習会で、ちょうど健康食品についての説明もありましたので、トピックスとして概略を書いてみました。

 

この表は、厚生労働省が製薬企業向けに行った講習会において、厚生労働省の監視指導・麻薬対策課という部署が説明に使ったスライド資料です。(赤枠は筆者が加筆。クリックすれば拡大できます)

無許可医薬品等発見数


無許可医薬品として違反が発見された医薬品等のうち、半数以上が健康食品関係のものです。薬機法の違反事例は、医薬品よりも健康食品の方が多いのです。

 

違反の内容では、健康食品にもかかわらず薬効を標ぼうして売られていたものがほとんどです。

残りの少しの例では、食品に入っていてはいけない医薬品成分(医薬品専用の成分)が健康食品に含まれていたというものです。

 

 

例えば「いわゆる健康食品」で、インターネット上の個人輸入サイト等で販売されていたものを購入して試験したところ、医薬品の成分が検出されたというものについて、以下のように説明されています。

通販製品買い上げ調査


シブトラミンというのは、外国では肥満治療薬として販売されています。日本では以前、製薬会社から医薬品製造販売承認が申請されましたが、承認されませんでした。

この成分は中枢神経系に作用することと、高血圧等の循環器系に関連する有害事象が発現する可能性があること安易な服用および過量投与は避けるべきとされています。

 

こういった成分が食品に添加されて健康食品として売られていたのです。

医薬品成分ですから効果があるのが普通で、これを添加することにより他の健康食品よりも効果をアピールして売ろうとしたのでしょう。

こういうことを知らずに使っていて健康被害にあった例もよく聞きますので、気を付けたいですね。

(tomo)